なぜ日本文学は英米で人気があるのか
- 3月12日
- 読了時間: 3分
更新日:5月5日
鴻巣友季子著 ハヤカワ新書
金融翻訳を生業にしている私ですが、フィクションの翻訳本をあまり手にすることはありません。そんな私が、2025年のダガー賞翻訳部門で大谷晶の「ババヤガの夜」が受賞したというニュースを聞いたとき、驚きを持って受け止めました。この界隈では、訳者のサム・ベット氏のウィットに富んだ通訳も話題になっています。YouTubeでその様子を拝見しました。私にとって、このタイトルは手に取るのに十分刺激的でした。図書館にお願いして新刊を買ってもらいました。
日本文学の変化
最近の日本文学が村上春樹の一強時代から転換した背景には、女性(特に若手)作家の台頭や若手読者の増加があります。制作手法や発表の場の民主化が進んでいることを実感しています。書き手も読み手も新しい層がどんどん出てきています。これは文学だけでなく、漫画、キャラクター、音楽などあらゆるジャンルで見られます。文化の裾野が広がると同時にグローバリゼーションが進むという好循環が起きています。
翻訳の重要性
AIが進化する中で、人間が想像力を駆使して作り出すものが溢れています。その中で、翻訳の基本とされる「何も足さない、何も引かない」という定義を再考すべきだと思います。翻訳は、異なるコンテクストで書かれた言語を別の言語に変換し、変換されたコンテクストで生きる人に最大限のストレスなく伝えることだと私は理解しています。
言葉だけを等価に置き換えても、読み手の理解が必ずしも促進されるわけではありません。時には補い、時には不要なものを取り除き、文構成自体を変えることが必要です。この部分はまだAIには難しいのではないかと考えています。逆に言えば、文節ごとに分けて左の単語を右に置き換える作業としての翻訳は、AIには敵わないでしょう。
AIと翻訳の未来
AIのポストエディット的な仕事は今後増えるでしょう。AIに学習させる作業も増えると思います。それを翻訳と呼ぶかどうかは人によるかもしれません。最近、日本の本屋に行くと、台湾や韓国の作家の翻訳本も多く見かけます。ここでもグローバル化、読者層の拡大、伝え手(作家、翻訳者)の増加の勢いを感じます。
文化を通じた理解
トランプ政権の政策で米国留学や移民に対する目が厳しさを増していますが、文化を通じた理解は歩みを止めません。私たちは頑張り続ける必要があります。日本文学が英米で人気を博している理由は、こうした文化的な交流の中にあります。
私たちがこの分野でリーディングパートナーになるためには、金融とIRに特化した翻訳とコンサルティングを通じて、企業と投資家の間に確かな橋をかけ、クライアントの情報発信力を高めることが重要です。これからも新しい文学や文化を通じて、私たちの理解を深めていきたいと思います。
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