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第18回 double down(倍がけする、強化する)

  • masatohino
  • 2021年5月6日
  • 読了時間: 2分

第18回 Double down(倍がけする、強化する)

金融関係の記事には数字がつきものです。特に一昨年からのジェットコースター相場の中で、株価が2倍、3倍になったものも多く、最近景気の良い単語をよく目にします。

このdouble downもなんだかとても勢いのいい言葉です。直訳すれば「倍がけする」「リスクを取って一か八かの賭けにでる」ということですが、単に「強化する」というような意味でも使われています。


前者の例がこちら。

The Treasury market’s inflation bulls seem to have gotten a green light from Federal Reserve Chair Jerome Powell to double down on wagers that price pressures will only intensify in the months ahead.



少し前まで米国10年債利回りが大きく上昇しており、それが資産価格の下落につながるのではないかと懸念されていました。それに対してパウエルFRB議長が「物価上昇圧力は一時的」とコメントし、市場が一段と強気相場に入ったことを語っています。


ここで使われているのがdouble down。 wagerと併せて「物価上昇圧力は数カ月間だけの一時的な現象だという賭けに一か八か乗る」という趣旨です。


(試訳)インフレを恐れぬ強気の米国債市場は、パウエルFRB議長からのお墨付きを得て、物価上昇圧力は今後数カ月だけの一時的な現象だとの賭けに出ているようだ。

一方、後者のように「強化する」のような、少し弱いトーンで使われているのがこちら。


As the emirate doubles down on reducing its traditional reliance on oil and gas, Mubadala last year teamed up with private equity firm Silver Lake in technology and Indian conglomerate Reliance Industries Ltd.’s retail unit in consumer goods and telecommunications as part of an ongoing investment spree. 



アブダビ第2の政府系基金であるMubadalaが、投資先をエネルギーからシフトさせているという内容です。「アラブ首長国連邦は伝統的な石油・ガスへの依存度削減を強化しており・・・・」と、世界中が気候変動対策に乗り出す中で、産油国も取り残されないように動きを加速していることが窺われます。この文脈では「倍がけ」とか「一か八か」とか「リスクを取って」といった元々のニュアンスは鳴りを潜め、単純に「強化する」とか「進める」といった程度で使われています。


どちらの場合も後ろの前置詞はonですね。


(2021年5月6日)

 
 

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