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第3回 中国関連の固有名詞で中国語⇔英語訳/日本語訳が見つからないときは・・・
はじめましての方も、お久しぶりの方も、こんにちは。中山桂です。 10月から11月にかけて企業決算のIRのお手伝いやら、CFA協会のお手伝いやらで忙殺されていたら、1カ月近くHPを更新しておりませんでした。大変失礼いたしました。 今日は久しぶりにTips for translationをお届けします。お題は「中国関連の固有名詞で中国語⇔英語訳/日本語訳が見つからないときは」です。 現在通っているライティングコースの先生が、これは便利よ、と言って教えてくださったTIPSなのですが、私には本当に役に立ったのでシェアしようかと思った次第です(こんなことは知ってるよと言う方はスルーを)。 仕事柄よく中国に関するレポートを日本語訳/英訳することがあります。その際一番面倒くさいのが中国語の固有名詞の英語/日本語表記を探すことです。 例えば、先日手がけた英日の金融レポートの中に、中国関連企業の名前でPowerlongという会社名がありました。通常、日本語のレポートの中で中国企業を表記する際は初出時は漢字(英語名)で書きます。例えば今話題の中国恒大は中国恒大(Ev
2021年11月19日


第2回 写経の薦め(その2)代名詞、同じ単語を見つけて1文に
第1回に続いて「写経の薦め」と題しまして、今回は「指示語、同じ単語を見つけて1文に」というテーマを取り上げてみようと思います。 私の英語は紛れもなく大学受験時の英語勉強が土台となっています。受験英語に賛否両論はありますが、大学受験英語のメリットといえば英文法を徹底的に叩き込まれ、精読させるところではないかと思います。 この英文法+精読を通じて正確に読むことはリーディングの基本ですが、受験だと元の原文を、一語一句訳抜けなく、その通りに翻訳しないと✖がつきます。出来上がりの「訳」が読みやすいかどうかではなく、「もれなく、左から右に移しているか」ということを重視します。実はこれ、訳文の質を落としかねない訳し方なのです。 言うまでもなく日本語と英語は構造が違います。英語では頭でっかちの主語を嫌がる傾向にあるため、主語について説明しようとすると、「Sは~である」という文章を作り、それを修飾節で説明するか、あるいはもう1つ文章を立てて2文で説明することが多くなります。 次の例を見てみましょう。 This book is a foundation to the
2020年2月20日


第1回 写経の薦め(その1)主語は後ろから訳すのが良い?
第1回 主語は後から訳す方が通りがいい? 私はだいたい朝9時から仕事を始めるのですが、その前に翻訳の勉強になりそうなことにいくつか取り組んでいます。時期によっていろいろと変わるのですが、目下その中の1つに「写経」があります。写経のやり方は、①ある原書と訳書を手に入れて、日本語をノートに丸写しする、②その訳文に対応する英文を「自分ならどういう訳にするか」と考えながら、訳文と照らし合わせて読む、③優れた表現、難しかった英文構造などをノートに書き加える、という手順です。毎朝20分くらいをこの作業に充てています。 この写経を通じて気がついたことが割と多いので、いくつかご紹介いたします。 あくまでも日頃翻訳をしている人間が、その勉強の中で気がついたことなので、言語的な根拠等に裏付けられたものではありませんが。 その一つが、主語を最後に訳出にするとかなり読みやすい日本語になることが多いということです。 例えば次の文章を見てみましょう。 Other borrowers, not just banks, can suffer from a cri
2020年2月12日


2025年11/12月
2025年11/12月 1.「資本コスト経営のすすめ」 野口真人 著 日本経済新聞出版 東証のPBR引上げ要請(正確に言うと、そんな名前で要請を出したわけではありません) から早3年。当初は自社株買いや増配といった財務レバレッジの引き上げ策ばかりが行われていましたが、最近は、抜本的な事業改革に踏み出す企業が増えてきました。IR界隈にいると「資本コストの引き下げ」という言葉はちょっと聞き飽きた感があります。そんな中で今年4月に出た本書。著者はファイナンスをこれでもかというくらいわかりやすく説明する名手の野口真人さん。ということでこの本の薄さでどこまでわかりやすく書いているのか気になって買ってみました。 本書は資本コストとは無縁の経営者・経営企画部を対象に、具体的な開示上の改善案まで提起することを目指したものですが、さすがにちょっと駆け足すぎる感じを受けました。たしかにわかりやすいのですが逆に丁寧さに欠けるというか、対象読者の知識レベルを初級に設定した割には不親切なような気がします。前半の知識編だけでも一冊分の本にした方がよかったような・・・


2025年10月
2025年10月 「パンチラインの言語学」 1.「パンチラインの言語学」川添愛 著 朝日新聞出版 言語学者、川添愛さんの新著。タイトルからして絶対「バーリトードゥ」系だろうと推察したので、最近地域図書館に追加された「LINEで買ってほしい本のリクエスト」機能を使って申請してみました。するとあっという間に図書館が購入してくれたので予約一番、新品本を読むことができました。地方税を払っているかいを感じた瞬間です。ふるさと納税で地方の産物をもらうばかりが税金の使い道ではないなぁとつくづく感じました。 さて、パンチラインとは、いわゆる名セリフを指すらしいです。名セリフと言われても、どうも著者と指向が違うらしく、取り上げられたパンチラインの半分くらいしか知らなかったわけですが、それはさておき軽い読み物としてはやはりおもしろい。「めざせ、かっちゃん、甲子園」が七五調でゴロが良いとか、末尾につく「よ」を考察してみたりだとか、普段はあまり気にしていない点を掘り下げているところにオタク感がちりばめられています。翻訳などというオタク域の仕事をしている人間には(私のオ


2025年9月
2025年9月 「論理的思考とは何か」 1. 「論理的思考とは何か」 渡邊雅子著 岩波新書 英文を書くことを生業にしている者は、ロジカルシンキングに基づいて文章を書くことが至上命題とされています。ライティングの講座では必ず、主張ー本論ー結論といった構造を取ること、パラグラフごとにその型を踏襲することを嫌と言うほどやらされます。しかし、この型は米国を中心とした経済効率性の達成を目的としたレトリック(人を説得する技術)に基づいており、アングロサクソン系のライティングが中心の世界でのみ、これが唯一無二のレトリックだと思われているに過ぎないらしいのです(知らなかった!)。 応用言語学者のカプランによれば、読み手が「論理的である」と感じるには統一性と一貫性が必要であり、「読み手」がそう感じるかどうかはその文化や社会の中で馴染んだパターンに落とし込む必要があるそうです。 筆者はそのパターンをアングロサクソン系のエッセイ、フランス系のディセウタシオン、イラン系のエンシャ―、日本系の感想文の4つに分けて説明しています。論理的思考が目的に応じて形を変えて存在す
COLUMN
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