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第25回 Stopped out(強制決済する、損切する)

  • masatohino
  • 2021年9月16日
  • 読了時間: 3分

第25回 Stopped out (強制決済する、損切する)

見慣れない言葉に出会ったとき、最初にすることは辞書を引くことですが、動詞に前置詞もしくは副詞が組み合わさった「句動詞」の場合、辞書を引いてもなかなかぴったりくる訳に出会えないことがあります。今回の「Stop out」もしっくりくる訳語が見つからず気持ちが悪く、ネット上を探し回りました。


The SAR is a technical indicator plotted on a price chart that will occasionally intersect with the price due to a reversal or loss of momentum in the security in question. When this intersection occurs, the trade is considered to be stopped out, and the opportunity exists to take the other side of the market.



テクニカル指標のパラボリックの説明文です。SARという点を表示させて放物線を描き、その線が現物価格と交差するとドテン(売買反転ポイント)のシグナルを示すという説明文です。


もちろんstopでoutなんだから”終わる”ことでしょ?というざっくりと意味の見当はつくのですが、the trade is considered to be stopped outを「この取引は終了されることになるとみなされ」ではなんだかいまいち腑に落ちない。


ちなみにこのstop out、英辞郎さんには一番最初に


stop-out


【名】

〈米〉一時休学


2つ目には

stopeatingoutso often


そんなに頻繁に外食するのをやめる



とあります。

ますます腑に落ちない・・・・。


そこで、stop outを受動態にして「stopped out」を””でくくってググってみると、


3番目に「Stopped out」に関するInvestopediaの説明が!

https://www.investopedia.com/terms/s/stoppedout.asp


結論から言うと、stop outとは主に為替取引において「強制決済する」ことを指します。”終わる”って言えば”終わる”ことには違いありませんが、「無理やり」と言うニュアンスが含まれます。上記サイトの説明には


Stopped out is a term used in reference to the execution of a stop-loss order. 


とあり、「ストップロス・オーダーの約定」を指す、と明確に記載されています。


そうか!

ここでやっと、「stop out」では適切な訳が見つけられなかった理由に思い当たりました。


ストップロス注文って、「○○の価格まで下がったら(上がったら)、もうこれ以上損失を出ると泣きそうだから諦めて売る(買う)注文」のことで、基本的に「損切注文」なのです。だれも損などしたくない、つまり「だれかが(好んで)する(SV)」行為ではなく、いつでも”させられる”受け身の行為なわけです。だから通常「S is stopped out」でしか使われないのです(受動態でない使われ方を見つけた方はご一報ください)。Stop outで一生懸命調べても、お門違いの訳ばかり出てきたのはここに理由があったわけですね。能動態の場合はそもそも意味が違うということです。


ということで、為替の世界では当たり前の言葉を調べるのに一苦労した件をご紹介しつつ、次回から特に句動詞の時は、受動態での検索を意識してみようと思いました。


(2021年9月16日)

 
 

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