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第3回 STAR Board(科創板)

  • masatohino
  • 2020年6月1日
  • 読了時間: 3分

第3回 STAR Board-科創板

ちょうど創設から1年を迎えた中国の科創板のIPO金額が、深セン、上海のメインボードのIPO額を凌駕するという状態が来るらしいです。中国株はしばらく底堅く推移していますが、巨大IPOが控えていることもあり、中国株式市場関連の基本をまとめておこうかと思います。

中国の株式市場は大きく分けて本土市場(Onshore Market)と香港市場(Offshore Market)に分かれます。さらに本土市場は上海証券取引所(Shanghai Stock Market)と深セン証券取引所(Shenzhen Stock Exchange)があり、さらにそれぞれA株(A Share)とB株(B Share)に分かれます。


A Shareはもともと中国国内投資家向け、B Shareは外国人投資家向けでした。

つまり外国人が中国株に投資するには、上海と深センのB株に投資するか、オフショアの香港市場の中国関連株(H株、レッドチップ)という選択肢しかなかったわけです。


しかし2014年に、香港証券取引所と本土市場(上海・深セン)が相互接続(Stock connect)してからは、香港から本土への投資(Northbound)も本土から香港への投資(Southbound)も活発に増えています(ちなみに、日経新聞ではノースバウンドを「北行き」、サウスバウンドを「南行き」と表記していますが、業界の人にはあまり受けが良くないようで通常はカタカナ表記にしています)。


それぞれの市場には大型株中心のメインボード(Mainboard)と東証マザーズのような位置づけの新興企業向けの市場がありますが、その中で昨年上海証券取引所に創設された、中国版マザーズ市場 科創板(STAR Board)がちょうど1年目を迎えました。


一方、香港証券取引所も、2018年4月に新興企業のメインボードへの上場基準を緩めています(メインボードの上場規制である第18章を緩めたことから、Chapter 18 A Stockと呼ばれる)。中国による香港への規制が強まる中、香港証券取引所もその存在意義をかけてIPO誘致合戦が加速すると思われます。


その科創板上場銘柄で今年一番の呼び物は、アリババ傘下の金融会社、アントグループ。調達予定額は200億米ドル、時価総額は2,000億米ドルの見込みだそうで、一気に日本の時価総額トップのトヨタに並ぶわけですね。


このアントグループは決済プラットフォームの「支付宝(アリペイ)」で有名ですが、残高が世界一のマネーマーケットファンド「余額宝」を運用していることでも有名です(62兆円)。


中国企業はだいたい重複上場をすることが多く、アントグループも香港と上海(科創板)の重複上場を申請していますが、国内投資家中心のA株(科創板)の株価が過熱し、2つの市場で乖離する傾向があります。果たして上場日(正式リリースはまだのようです)の科創板A株と香港のH株の株価がどれだけ乖離するのか、目が離せません。


ちなみに翻訳において中国企業の名称は、アリババのような超有名企業を除き、初出で漢字(カタカナまたは英語の略称)、その後カッコ内で記載されることがスタンダードのようです。

例:中芯国際集成電路製造(SMIC)

 
 

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