2022年12月
- masatohino
- 2023年1月1日
- 読了時間: 3分
2022年12月

1.「教養としての投資」 奥野一成 著 ダイヤモンド社
目下奥野さん月間が続いておりまして、今月はこちら。
枕詞に「ビジネスエリートになるための」とありますが、どちらかと言えば投資や証券、金融初心者向けの著で、新卒の方に読んでいただく方が良いくらいの基礎的な内容です。これを読んでもビジネスエリートにはなれません。
2020年10月にやはり奥野さん著の「先生、お金持ちになるにはどうしたらよいですか?」という本をご紹介しましたが、こちらの本との重複感があります。どちらもファイナンス理論を語る本ではなく、その前段階としてなぜ企業価値を高める企業への投資が必要なのか、という点を強調しているものなので、正直どちらか一冊で良かったのでは?
今や日本のウォーレンバフェットのような存在なので、今度は子供向けではなく、大人向けの入門書を書いて欲しいという依頼があったのでしょう。羨ましい限り。でも、そもそも金融は専門分野なので、特に金融を専攻していなければ大人も高校生も変わらない気がします。
ちなみに「教養としての・・・・」というタイトルの本が多いなぁと思ってGoogle検索をかけると出てくる、出てくる・・・。「教養としての金融&ファイナンス」「教養としての労働法入門」「教養としての着物」「教養としての落語」「教養としてのローマ史の読み方」などなど。そもそも教養=リベラルアーツなので、入門や基礎とは違うと思うのですが、どうも昨今の「教養としての」はその手のものが多いようです。
念のため申し上げておきますと、私自身は奥野さん・バフェットの投資に対する考え方にまったく異論はありません。ただ、似たような本だなぁという感想を持ったため、それならさらに子供向けの方を推奨いたします。
★★★☆☆

2.「ビジネススクールで見につける ファイナンス×事業数値化力」
大津広一 著 日本経済新聞出版
「ビジネススクールで身に着ける会計×戦略思考」がアカウンティング(会計版)で、こちらの新著がファイナンス版。ファイナンス関連の本は、アカデミックなものから入門編まであまたありますが、この本の秀逸な点はファイナンス理論を現場でどう使うか、というところまで踏み込んだ点ではないでしょうか?
企業の企画・財務・IRの現場では結局のところ、理論はともかく、どのようなロジックに沿って考えれば、会社の意思決定に最も役立ち、実体をきちんと説明できるのかが一番大事です。その辺りをできる限り平易に(とはいえ、それなりに難しい)、また必ずしもファイナンスを専攻していない現場の目線で解説しているので、特に財務やIRなどの部門の方にお薦めです。中でも、FAQとして著者が実際にビジネススクールで受けた質問に対して回答している箇所があるのですが、そこだけピックアップして読んでも、なかなか面白いです。
とはいえ、ファイナンスの分野は広く、なかなか一冊にまとめることは難しいというのは他の本でも言えること。CAPMやMM理論など駆け足で触れていますが、いっそのこと、これは続編に回してもよかったのかと思わないわけでもありません。
なんて外野は勝手に言いますが、全部関連しているからそういう訳にもいかないんでしょうね。本を書くって難しい・・・・・。
★★★★★


