2022年7月
- masatohino
- 2022年8月1日
- 読了時間: 4分
2022年7月

1.「破壊 新旧激突時代を生き抜く生存戦略」 葉村正樹 ダイヤモンド社
Disruptionーこの言葉はしょっちゅう翻訳対象の英文の中に出てくるわけですが、実のところ毎日ぼっちで翻訳をしていることが多い私がこの創造的破壊を実感することは少なく、自分とはあまり関係ない単語だなぁと思っておりました。
しかし、IR業務を通じて企業と関わる中で、何も先端技術ではなくともディスラプションというのは割と身近に起きている(そして起こすことが可能)だということを実感することも多くなってきました。
そんな中で出会った今月の1冊。企業がディスラプションを起こし、生き残っていくうえで、1. 人間中心に考える、2.存在価値を見極める、3.時空を制する という3つの戦略が重要だと説いています。
あれ?よくよく見ると、1は「マーケットイン」の発想、2は昨今のパーパス経営に通じるじゃありませんか。ディスラプションという仰々しい言葉を使わなくても、企業価値の創造にはこうした発想が欠かせないようです。
しかし・・・
「企業にとっても個人にとっても時間も、時間を制するとは第一に他社の時間を自分のものにする、ことであった。そして、それができた者が勝者となり、搾取された側が敗者となったのである。」
つまり、企業は我々に日々スマホを持たせ、ゲームやYouTubeを配信し、それをマネタイズしているわけですが、それに興じている我々は思いっきり時間を消費させられているわけで、この本の言葉を借りれば「搾取された敗者」なわけですよね。大丈夫か?私たち?
コンセプトとしては非常に共感できる、私のような素人にもわかりやすい一冊。ケーススタディが多すぎる気もしますが、いまはコンサルティング会社にお勤めのようなので(執筆時はLINEの執行役員)もともとビジネススクール色の強い方なのかもしれません。でぃすらぷしょんってなあに?という方にお薦め。ただし、執筆が2018年なのでコロナ禍を経て著者の意見がどう変わったかは不明。その点もあり、図書館で借りてみました。
★★★★☆

2.「ヘミングウェイで学ぶ英文法2」 倉林秀夫 今村楯夫 著 アスク出版
毎度おなじみの○○で学ぶ英文法シリーズ。今さらここでご紹介するまでもないと思うのですが、定期的に文法書を朝読書で回しているので、このシリーズの文法解説のわかりやすさと、文学を味わうことができる楽しさというのは、別格だと感じます。特に文学的センスのない私には、名著を味わいながら英文法が勉強できる超バリュー書です。文学書の中に出てくる文章は必ずしも「読みやすい」文章ではなく、きちんと文法面から解法するのはなかなか難しいものも多いわけですが、ヘミングウェイという(私は難解だと思う)文学について丁寧に解説してくださる神参考書だと思います。
前回「オスカーワイルドで学ぶ英文法」(2021年7月の朝読書)のところでも申し上げましたが、学校で学ぶ文法を活用する場面=英文解釈は往々にして大学受験のための一単元になっている面も否めないので、こういった短編やオスカーワイルドのように子供にもなじみのある文章を多読ではなく、文法面から精読するというテキストとして最適だと思います。
一つリクエストをするとすれば、だんだんこのシリーズが手元に増えてくると「『形容詞+to 不定詞』の解説どっかに合ったよなぁ?どこだったっけ?確かヘミングウェイだったと思うんだけど、1だっけ?2だっけ?」なんて思うことが多くなります。本シリーズは索引がないので、巻末に「本書で扱う文法」のような索引を作っていただけると超ありがたいです。さらにもっと欲を言えば、最新刊以降から「仮定法についてはヘミングウェイで学ぶ英文法2のP○○」みたいな複数の本にわたって索引をつけていただけると、なまじの文法書よりも例文解説が丁寧なのでシリーズで購入している人には大助かり!ではないかと思います。
アスク出版さん、どうぞご検討ください。
★★★★★


