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2024年9月

  • masatohino
  • 2024年10月1日
  • 読了時間: 3分

2024年9月


「言語学バーリ・トゥード Round2」
「言語学バーリ・トゥード Round2」

1. 「言語学バーリ・トゥード Round2」川添愛 著 東京大学出版会


 出ました!「言語学バーリ・トゥード」の続編。言葉という「ネタ」をこんなに面白く読ませる本に仕立てるのはなかなか素晴らしいと思います。この軽妙なタッチの本が故に、フレンドリーな人なのではないかと錯覚されて超失礼なメールも飛んでくるらしい。ニコニコ笑っているアイドルが自分に気があると勘違いするのと一緒ですね。前回同様、サクサク読める中に言葉の本質が詰まっていてあっという間に完読しました。今回のお気に入りは「03言葉に引導を渡すもの」。いわゆる「死語」がどうして恥ずかしいのかというテーマです。そういえば30年前に最初の会社に新人が入ってきて、新聞の読み方とかの研修をしていたときに「XXXするのは甘い」という流れで「XXXするのは天地真理」と言って場が凍った恥ずい(これも死語?)が記憶がよみがえりました。私ですら天地真理のスポット世代ではないので、使いまわされた死語をさらに使って1ジェネレーション隔世した黒歴史です。

 この「死語」がなぜ恥ずかしいのかと言えば、その言葉が使われていた時代をリアルタイムで知っていることがバれるからだそうです。確かに「夜露死苦」とか言われると、当時そういう方だったのねぇなどと思われてしまうかもしれません。結局、言葉にはコンテクストが付きまとうことでしょうか。

 構えて読まなくてもとても面白い本。ぜひRound3も期待しています。

★★★★★


「説教したがる男たち」
「説教したがる男たち」

2. 「説教したがる男たち」 レベッカ・ソルニット著 ハーン小路恭子 訳


 先日「マンスプレイニング」という言葉に出会いました。2008年4月に著者レベッカ・ソルニットが発表したエッセイがきっかけのようです。Man(男)とExplain(説明する)を掛け合わせた造語で、

「(男の)見下したような、自信過剰な、そしてしばしば不正確な、または過度に単純化された方法で女性や子どもに何かについてコメントしたり、説明したりする」出典:<https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0> )ことを指し、2010年にNYタイムズのワード・オブ・ザ・イヤーに選出されました。

 性自認としては女性なのですが、ことフェミニズムについてはとんと疎い。アカデミックなフェミニズムの歴史、内容についてはほとんど知らないので、本書を読んでみることにしました。裏表紙を見てびっくりしたのは、すでに2010年にワード・オブ・ザ・イヤーにまで選出された言葉に関連する書籍の日本版初版が2018年だということ。日本でフェミニズムというのはちょっと遠い別の国の話、という機運があるようです。

 さて、本書の感想については上述のようにフェミニズムに疎い私が語るようなものではないので、この後に続く読者の方に委ねたいと思いますが、一つ面白い発見がありました。「ヒステリー」という言葉はギリシャ語の「子宮」に由来するそうです。「極端に感情的な状態は子宮が動き回ることで引き起こされると、かつては考えられていた」(P129)。現在ではPMS(月経前症候群)と名前がついていますが、まあ確かに嘘ではない。

 先般行われた自民党総裁選の前の討論では、選択的夫婦別姓などが議論にも取り上げられています。アメリカでは11月に大統領選があります。中絶は相変わらず中心的なトピック(今年は経済が中心か)です。

 本書を手に取るきっかけは実は「男には説教したがる性質があるのかないのか」という心理的な本かと勘違いしたからなのですが(ほんとに知性がなくてすいません・・・・)、本書のコアは実のところ人権問題なのではないかと思います。選挙イヤーに考えてみたい一冊。

★★★☆☆


 
 
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