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第20回 Underrepresented (ポジションが小さい、アンダーウェイト)
第20回 Underrepresented (ポジションが小さい、アンダーウェイト) 新型コロナは経済や社会に大きな変化をもたらしました。環境や社会的格差への注目がに高まり、金融市場でもESGを考えない投資はバカだ、と言わんばかり(たぶん言ってるのだと思いますが・・・・)の状況に一気に傾いています。 金融市場では2006年に国連責任投資原則(Principles for Responsible Investment, PRI)が提唱され、この原則に賛同する企業(資産運用会社、アセットオーナー等)が国連PRIに署名しています。現在、署名企業は3000社超、資産運用額(AUM)は100兆ドルを超えています。 そのように金融市場もESGへの傾斜を進める中で、投資対象としてunderrepresented な企業を重点的にピックするという投資が増えています。 Softbank created the Opportunity Fund barely a week after the murder of George Floyd. The firm comm
2021年6月9日
第19回 Parking lot (一時保留)
第19回 Parking lot (一時保留) 金融翻訳にもいろいろと種類がございまして、私の場合は投資関係のレポート、ファンドのデューデリジェンス、ピッチブック等証券関係のものが4割近くを占めます。この手の案件は「いま」の市場がわかるのでとても面白いのですが、相場動向に左右されるのが最大の問題点。ボラティリティが上がると死にそうになるし、逆にボックス相場入りしたり、大暴落 で金融機関が死にそうになるとこちらも共倒れになります。 一方、IR翻訳(法定開示資料、中期経営計画、アニュアルレポート等)はボリュームはありますが、季節性の強い肉体労働者の様相が強く、収穫期が終わるとしばらく閑古鳥が鳴きます。 そういう中で、年間を通じて安定的にやってくる(そして納期が長い)会計ものはスタビライザーとして非常にありがたい案件です。 さて、今日の用語はその会計絡みの戦略系文章で出会った言葉。新聞等で使われるような用語ではないので、よく見かけることは無いと思います。 ディスカッションなどの間にちょっと本筋とは関係ない問題などについて Please leave th
2021年5月28日
第18回 double down(倍がけする、強化する)
第18回 Double down(倍がけする、強化する) 金融関係の記事には数字がつきものです。特に一昨年からのジェットコースター相場の中で、株価が2倍、3倍になったものも多く、最近景気の良い単語をよく目にします。 このdouble downもなんだかとても勢いのいい言葉です。直訳すれば「倍がけする」「リスクを取って一か八かの賭けにでる」ということですが、単に「強化する」というような意味でも使われています。 前者の例がこちら。 The Treasury market’s inflation bulls seem to have gotten a green light from Federal Reserve Chair Jerome Powell to double down on wagers that price pressures will only intensify in the months ahead. https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-05-01/bond-market-
2021年5月6日
第17回 High-frequency data(高頻度データ、オルタナティブ・データ)
第17回 High-frequency data(高頻度データ、オルタナティブ・データ) 大半の先進国ではワクチン接種が進み、徐々に経済活動の制限が緩和に向かっているように見えます。すでにイスラエルなどではマスクなしでレストランやコンサートに出かけるなど、コロナ前の生活に戻りつつあるようです。 一方で、東京には3度目の緊急事態宣言が発令されました。ワクチン接種が進まない中では爆発的な感染拡大と医療崩壊を阻止するために人流を止めるという単純施策しかないというのはなんとも情けない限りです。 さて、そんな中で久しぶりに目にしたこのhigh-frequency data。数年前からちらほら見るようになりましたが、コロナ禍で一気に注目が上がってきているようです。 Alternative data suggest global economic activity continued its recovery in March and early April, according to Bloomberg Economics’ gauges that in
2021年4月25日
第16回 Clip (~のペースで)
第16回 Clip (~のペースで) 新型コロナの第2波だの第3波だのに振り回されているうちに、気が付けばすっかり1年の4分の1が終わっているではないですか!? 本当に時が経つのは早いです。 本日のテーマはその速さを表す言葉、clip。経済では絶対値よりも変化率とその趨勢(trend)を重視する傾向にあるため速さを表現する文章は頻繁に出てきます。 The Federal Reserve expects the U.S. economy to grow at the fastest clip in four decades, forecasting 6.5% GDP growth this year; Goldman Sachs predicts 8% GDP growth. < https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-03-31/biden-s-infrastructure-boom-risks-worsening-his-immigration-problem > 足元の米国経済の強さに関する
2021年4月5日
第15回 Baked into (織り込み済み)
第15回 Baked into (織り込み済み) 証券会社出身の(特に株式市場に関わっていた)方と話すと、何かと証券ジャーゴンが出てくることがあります。この「織り込み済み」は厳密に言えば証券用語というわけではありませんが、何かとよく見かける言葉です。もちろん普通の会話でもしょっちゅう使われます。「〇〇の件は織り込み済み」とか、「その件はもう織り込まれてるから」とか、耳にしますよね。 余談ですが、他にも証券会社あるある用語として「マル」という言葉があります。何か予定していたことをキャンセルするときは「あの件はマルにしておいて」と言います。数字のゼロから来ているようです。 さて、「織り込み済み」に戻りますが、株式において「織り込み済み」とは「株価に影響のある材料が投資家の間で周知され、株価がすでにその影響を受けてしまっている状態」を指します。 https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/o/J0824.html つまり英語ではfully reflected とか fully priced なんて表現することができま
2021年3月4日
第14回 Cap (締めくくる、上限、時価総額・・・)
第14回 cap(締めくくる、上限、時価総額・・・) 先週のアメリカ市場は、ヘッジファンド対個人投資家の戦いに注目が集まりました。ゲームストップ株にカラ売りを仕掛けていたヘッジファンドに対して、個人投資家がオンライン掲示板レディットでのチャットを手掛かりに一斉に買いを仕掛け、ヘッジファンドがshort squeeze(踏み上げ)されて多額の損失を被りました。 本日の言葉はその関連記事の中のcapを取り上げます。前回のfloat同様にcapも金融ではよくお目にかかる言葉です。 (1)Cap off まずは先ほどのゲームストップ株関連の記事から。 AMC Entertainment Holdings Inc., which also had limits removed on trading, edged lower in Friday’s session and capped off its worst week on record with a 48% drop. < https://www.bloomberg.com/news/article
2021年2月10日
第13回 Float(発行、募集、浮動・・・)
第13回 Float(発行、募集、浮動・・・) 2021年になっても株高が止まりません。 米国ではその要因の一つにロビンフッダーの存在がささやかれています。 情報会社のCBインサイツによると、ミレニアル世代(20~30歳代)のデイトレードへの関心が高まったことを背景に、20年4~6月期のロビンフッドの売上高は前四半期比98%増の1億8000万ドルになったようです。新型コロナの感染拡大以降の新規口座開設は約300万口座に上り、その半数を投資初心者が占めています。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ1943N0Z10C21A1000000 そしてこのロビンフッドがゴールドマン・サックスをアドバイザーに新規公開(IPO)の準備を進めているようです。本日はこの上場、募集、起債に対して使用される「float」という言葉を取り上げてみたいと思います。 floatは金融では多岐にわたり使用されています。 1つ目は上述のように「発行」を表すfloat. This month, four clinical-stage
2021年1月22日
第12回 Phase-in(段階的、ドルコスト平均法)
第12回 Phase-in(段階的、ドルコスト平均法) 日経平均株価は今年70周年。その節目の年は、新型コロナウイルスの感染拡大、財政出動、流動性供給に大きく左右された1年でした。春先に大きく下げたあと11月の上げ幅は3400円近くに上り、FOMO(fear of missing out) 相場=取り残されることへの恐怖が買いを駆り立てる相場の様相が強かったようです。 さてそんな中、株式を保有していない人はいまさらどうする?と思うわけですが、そんな場合によく推奨される投資手法に有名な「ドルコスト平均法」があります。毎月コツコツ定額を購入し、相場の上げ下げに左右されずに投資額を増やす、という長期投資の「基本のき」です。教科書的にはドルコスト平均法は「dollar cost averaging」と言われますが、もう1つ「phase-in strategy」という言葉も使用されるようです。 What is a phase-in? With a phase-in you first place your investment in a money mar
2020年12月28日
第11回 Concession(コンセッション)
第11回 Concession(コンセッション) 11月1週目から大統領選の行方が連日のようにメディアを賑わしてきましたが、大勢がやっと決まりました。郵便箱の盗難、投票所での威嚇、郵便投票は無効だとの主張等々、民主主義を声高に叫んできた世界最大の先進国のいささかお粗末な事情を世界にさらけ出した選挙が終わるというのは喜ばしいことです。しかしこの選挙、敗北宣言が聞かれないことには終わらないらしいのです。今日はその敗北宣言(Concession Speech)からConcessionを取り上げます。 ご存じの通りConcessionにはかなり幅広い意味があり、非常に訳しにくい言葉の1つです。ランダムハウスには1.譲歩、譲渡、承認、容認、2.譲歩されたもの、譲歩事項、譲与物、3.(英)割引、4.免許、特許、特権、5.営業許可 とありますが、前後関係で4と5がどちらにも取れたり、1と4の間で紛らわしかったり、訳者泣かせの単語です。 インフラファンドなどのピッチブックでは Company A has signed a long-term concession
2020年11月14日
第10回 Loophole(抜け穴)
第10回 Loophole(抜け穴) 前置きをしておきます。本日の話題はちょっとマニアックな話。 Major banks such as Wells Fargo would put greater focus to grow net income by purchasing MBS. はて?なぜ大手銀行がMBSを買うことで純利益が上がるんだろうか? 私は常々、金融翻訳というものは答えを探すことができる分野だと思っています。文章の背景にある「事実」と、その結論を導き出した「理論」というものは、筆者独自が創造したものではなく、だいたいにおいて絶対的な事実と優れた個人の偉業に裏付けられているからです。 今回のこの文章。私の中では全くロジックが成り立たなかったので、その背景を調べるのにざっと2-3時間かかりました(証券化商品、あんまり詳しくないので・・・・)。するとMBSに詳しくない私には面白い記事に出くわしました。 Banks Uncover Loophole to Buy Home Loans at Below-Market Prices <...
2020年10月11日
第9回 Stopgap(つなぎ)
第9回 Stopgap(つなぎ) President Donald Trump signed stopgap spending legislation early Thursday to avert a government shutdown weeks before the presidential election, the White House said. < https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-10-01/trump-signs-stopgap-funding-bill-to-avert-a-government-shutdown?sref=2Kgwko1D > 本日は、大統領選を前に政府閉鎖をなんとか回避したい共和党・トランプ大統領がstopgap spending legislationに調印したという話。これにより12月11日まで米国は、当面の予算を現状水準のまま確保できることになりました。 これは2018年にメキシコ国境での壁建設などに伴う混乱で予算編成が遅れ、政府機関が閉
2020年10月6日
第8回 hands on/hands-on
第8回 hands on/hands-on “If there was going to be a buyout for this Y12trn market cap name, surely he would need as much leverage as he can get his hands on .” https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-09-24/son-cuts-softbank-shares-pledged-to-lenders-by-1-billion?cmpid=BBD092520_CAS&utm_medium=email&utm_source=newsletter&utm_term=200925&utm_campaign=closeasia&sref=2Kgwko1D 25日の報道で、孫正義氏が金融機関に対して担保に供している株式が減少したことが判明しました。個人で保有するソフトバンクグループの株式を担保に、金融機関から資金を借りていたわけですが、個人資産の売却も少
2020年9月29日
第7回 Backdoor-裏口
第7回 Backdoor-裏口 Turkey’s central bank raised interest rates for the first time since a currency crisis in late 2018, surprising most economists after a series of backdoor measures fell short of stabilizing the lira. < https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-09-24/turkey-raises-key-rate-for-first-time-since-2018-currency-crisis?srnd=fixed-income&sref=2Kgwko1D > 9月24日にトルコ中銀が、大方の予想を裏切り2年ぶりの利上げに踏み切りました。 新型コロナで打撃を受けた国内経済の浮揚を図りたいエルドアン大統領は、再三中央銀行の利上げに反対の意を唱えてきました。総裁の更迭という記憶も新し
2020年9月24日
第6回 SASB-持続可能性会計基準審議会
第6回 SASB-持続可能性会計基準審議会 本日は用語というわけではありませんが、これから重要性が増すと思われるSASB(Sustainability Accounting Standard Board/持続可能性会計基準審議会)を取り上げます。 SASB……何となくFASBとかIASBとかの親戚かと思ったあなた! 正解です。 この団体のポイントは、会計基準などと同じ「財務的」視点からESGなどのSustainabilityを捉えようとしているところです。 ESGやSustainabilityに対する注目が高まるなかで、さまざまな団体や基準がESGやSustainabilityの開示項目を規定したスコアリングなどを試みてきました。 しかしながら、もともと「定性的」なESGや持続可能性といったものを「定量的」にスコアリングするためには、企業から膨大な情報を得なければならず、企業側の負担もだんだん高まってきました。さらに、いまでは「サステナビリティ」のスコアリングや評価を行う団体が乱立してきており、「いったいどれに回答すればよいのか?」「どれが最もA
2020年9月18日
第5回 Let upー減少する
第5回 let up-減少する Given uncertainty around the economic climate, Zions Bancorp will be cautious about reserves, Chief Operating Officer Scott Mclean said Tuesday. “It would take a lot to let up on the reserve we’ve built until we see a little more clarity about how the pandemic and the economy is going to play out.” < https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-09-16/bank-executives-offer-some-optimism-while-their-stocks-still-lag?sref=2Kgwko1D > こちらは、銀行幹部による見通しに関する本日のBloombe
2020年9月17日
第4回 Carve out-カーブアウト、ニッチ分野を開拓する
第4回 Carve out-カーブアウト、ニッチ分野を開拓する While Arm has carved out a successful niche for itself by being independent, an acquisition by Nvidia, also a licensee, would be a challenge to that neutrality. https://www.bloomberg.com/news/articles/2020-09-12/nvidia-is-said-to-near-deal-to-buy-chipmaker-arm-from-softbank?srnd=premium-asia&sref=2Kgwko1D carve out は金融翻訳で動詞として使用される場合、後ろにnichやpositionを伴って「ニッチ市場を開拓する/市場シェアを奪う」などという形で使用されることが多いです。 一方、M&Aなどでは名詞として使用されることが多く、意味としては一部事業を切り出すことを指します。
2020年9月13日
第3回 STAR Board(科創板)
第3回 STAR Board-科創板 ちょうど創設から1年を迎えた中国の科創板のIPO金額が、深セン、上海のメインボードのIPO額を凌駕するという状態が来るらしいです。中国株はしばらく底堅く推移していますが、巨大IPOが控えていることもあり、中国株式市場関連の基本をまとめておこうかと思います。 中国の株式市場は大きく分けて本土市場(Onshore Market)と香港市場(Offshore Market)に分かれます。さらに本土市場は上海証券取引所(Shanghai Stock Market)と深セン証券取引所(Shenzhen Stock Exchange)があり、さらにそれぞれA株(A Share)とB株(B Share)に分かれます。 A Shareはもともと中国国内投資家向け、B Shareは外国人投資家向けでした。 つまり外国人が中国株に投資するには、上海と深センのB株に投資するか、オフショアの香港市場の中国関連株(H株、レッドチップ)という選択肢しかなかったわけです。 しかし2014年に、香港証券取引所と本土市場(上海・深セン)が相互
2020年6月1日
第2回 CECL
第2回 Current Expected Credit Loss(CECL)-現在予想信用損失 新型コロナショックがまだまだ収まらない中、J.Pモルガンを皮切りに米国大手銀行の決算が発表されました。今回はその補足をこちらでしたいと思います。 今回の決算の注目は何と言ってもCurrent Expected Credit Loss(CECL)でしょう。日本語では「現在予想信用損失」という名称がついています。 ちなみにCECLはアメリカの会計基準FASBによるもので、IFRSではこの似たような概念の信用損失をExpected Credit Loss(予想信用損失)と言っています。 そもそもこのCECLは2008年の金融危機の時に貸倒引当金の計上額が「too little, too late(少なすぎるし遅すぎる)」として見直しが進められたことが発端です。10年に及ぶ紆余曲折を経て、大半の大手銀行は2020年1月1日から始まる会計年度からこの会計処理を適用することになっています。 さてこのCECLですが、これまでの貸倒引当金計上方法と何が違うかというと、
2020年5月9日
第1回 Repatriation(リパトリエーション)
第1回 Repatriation(リパトリエーション) 先日NHKのポッドキャストを聞いていたら、拉致被害者の有本恵子さんのお母様が亡くなったニュースが報道されていました。 Japan's Prime Minister Shinzo Abe says it is truly regrettable that Japan was unable to repatriate abductee Keiko Arimoto from North Korea before her mother died. 出典 < https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/en/news/20200206_39/ > repatriateは本国に送還させる、帰国させるという意味です。ちなみに帰国済みの元拉致被害者は repatriated abducteeと表現されています。 ところでこのrepatriate、repatriationという単語は、日常会話ではあまりお目にかかることはないのですが、金融業界ではわりとよく使われる言葉です。金融では「リ
2020年2月29日


2025年11/12月
2025年11/12月 1.「資本コスト経営のすすめ」 野口真人 著 日本経済新聞出版 東証のPBR引上げ要請(正確に言うと、そんな名前で要請を出したわけではありません) から早3年。当初は自社株買いや増配といった財務レバレッジの引き上げ策ばかりが行われていましたが、最近は、抜本的な事業改革に踏み出す企業が増えてきました。IR界隈にいると「資本コストの引き下げ」という言葉はちょっと聞き飽きた感があります。そんな中で今年4月に出た本書。著者はファイナンスをこれでもかというくらいわかりやすく説明する名手の野口真人さん。ということでこの本の薄さでどこまでわかりやすく書いているのか気になって買ってみました。 本書は資本コストとは無縁の経営者・経営企画部を対象に、具体的な開示上の改善案まで提起することを目指したものですが、さすがにちょっと駆け足すぎる感じを受けました。たしかにわかりやすいのですが逆に丁寧さに欠けるというか、対象読者の知識レベルを初級に設定した割には不親切なような気がします。前半の知識編だけでも一冊分の本にした方がよかったような・・・


2025年10月
2025年10月 「パンチラインの言語学」 1.「パンチラインの言語学」川添愛 著 朝日新聞出版 言語学者、川添愛さんの新著。タイトルからして絶対「バーリトードゥ」系だろうと推察したので、最近地域図書館に追加された「LINEで買ってほしい本のリクエスト」機能を使って申請してみました。するとあっという間に図書館が購入してくれたので予約一番、新品本を読むことができました。地方税を払っているかいを感じた瞬間です。ふるさと納税で地方の産物をもらうばかりが税金の使い道ではないなぁとつくづく感じました。 さて、パンチラインとは、いわゆる名セリフを指すらしいです。名セリフと言われても、どうも著者と指向が違うらしく、取り上げられたパンチラインの半分くらいしか知らなかったわけですが、それはさておき軽い読み物としてはやはりおもしろい。「めざせ、かっちゃん、甲子園」が七五調でゴロが良いとか、末尾につく「よ」を考察してみたりだとか、普段はあまり気にしていない点を掘り下げているところにオタク感がちりばめられています。翻訳などというオタク域の仕事をしている人間には(私のオ


2025年9月
2025年9月 「論理的思考とは何か」 1. 「論理的思考とは何か」 渡邊雅子著 岩波新書 英文を書くことを生業にしている者は、ロジカルシンキングに基づいて文章を書くことが至上命題とされています。ライティングの講座では必ず、主張ー本論ー結論といった構造を取ること、パラグラフごとにその型を踏襲することを嫌と言うほどやらされます。しかし、この型は米国を中心とした経済効率性の達成を目的としたレトリック(人を説得する技術)に基づいており、アングロサクソン系のライティングが中心の世界でのみ、これが唯一無二のレトリックだと思われているに過ぎないらしいのです(知らなかった!)。 応用言語学者のカプランによれば、読み手が「論理的である」と感じるには統一性と一貫性が必要であり、「読み手」がそう感じるかどうかはその文化や社会の中で馴染んだパターンに落とし込む必要があるそうです。 筆者はそのパターンをアングロサクソン系のエッセイ、フランス系のディセウタシオン、イラン系のエンシャ―、日本系の感想文の4つに分けて説明しています。論理的思考が目的に応じて形を変えて存在す
COLUMN
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