運営:有限会社ピィファ・パートナーズ
私は朝20分ほど読書の時間を作っています。もともとは1冊の本を読み終わるまで別の本を読まないタイプでしたが、そんなことをしていたら、①読みたい本だけを優先する、②積読が増える、③ジャンルが偏る、という事態に陥ってしまいました。そこで子供たちが学校で行っているように「朝読書の時間」というものを設けて、毎日少しずつでも読み進めるようにしたところ、1カ月でだいたい4-5冊は読めることがわかりました。
朝読書のルール
① 1冊5分(切り悪い時は5分以内であれば延長可)
② 1日3冊
③ ジャンルはすべて違うものを選ぶ
選書の基準としては自分の専門分野である経済、投資、会計等から1冊、英語・翻訳に関係するものを1冊、その他どの分野でも良いものを1冊、としています。
良かった本、自分の趣味に合わなかった本などいろいろありますが、1カ月で読んだ本をご紹介していこうと思います。
1, 「地図で読むアメリカ」 朝日新聞出版 ジェームス・M・バーダマン 著 森本豊富 訳
本書はアメリカを10地域(ニューイングランド地域、メトロポリタン・ニューヨーク地域、アパラチア地域、サウス地域、インダストリアル・ノース地域、ハートランド地域、アウトウェスト&アラスカ地域、パシフィック・ノースウェスト地域、サウスウェスト地域、ハワイ地域)に分けて、それぞれの歴史や生活、宗教、経済状況などを簡潔に説明しています。その成り立ちや民族、宗教、それが今の経済情勢にどう影響しているかなどということが非常に分かりやすく説明されています。
大統領選の時は、「ラストベルト」や「福音派」など耳にしましたが、その時期がすぎるとあまりアメリカのまだ模様に焦点が当たる機会は多くないので、1冊手元に置いておくと便利かもしれません。アメリカの中学生向け社会の教科書みたいな感じだと勝手に思っています(アメリカの中学生向けの社会の教科書見たことないので・・・・)。高校、大学向けテキストではないところが★一つ欠けた理由。
★★★★☆
2.「英語独習法」 岩波新書 今井むつみ 著
タイトルだけ見て、「自分で英語の勉強をするためのノウハウ本」だと思って買ったら大間違いでした。なぜ「多読」や「多聴」よりも意識を向けて「熟読」「塾聴」する方が効果的なのかを論理的に説明したうえで、さらに実際に手を動かしながらやってみることができるSkellやCOCAコーパスなどのサイトをまさに”オンラインセミナー”のように紹介・説明してくれます。あまりこの手のものが得意ではない私でも、マニュアルのように一緒に手を動かし、今では趣味のようにSkellを眺めています。
一通り英語学習をした(いい年の)大人にはとても有益な本でした。
★★★★☆
3.出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記 フォレスト出版 宮崎 伸治 著
日経新聞の広告を見て思わず買ってしまった本。あまりにインパクトが強いタイトルのせいか、同時期に翻訳者の方々がみなさん読んでいたからか、なぜか現物がなくて最終的にキンドルで購入。
日々実務翻訳にあくせくし、成果物がどのように読まれているのかなかなか実感できない者としては、名前が出る出版翻訳って素敵だなぁ~いいなぁ~と憧れるわけです。たとえどんなに出版翻訳をされている大御所が、「大変」「食えない」「副業」とおっしゃろうと、です。
しかしこちらの本を読み終わった時には、なんだか絶望感にさいなまれました。そして今のご職業が警備員と聞くと、本当に精神的にお辛かったのだろうとさらに悲しくなりました。いつの日にかまた翻訳業界に戻ってこられることを願っています。
証券会社にいたときも、精神的に病んだ方をたくさん見ましたが、それに匹敵する感もあり。最後がつらかったので★三つ。
★★★☆☆