今月の本
~毎朝5分*2~3冊をご紹介していきます~

毎朝20分ほど読書の時間を作っています。もともとは1冊の本を読み終わるまで別の本を読まないタイプでしたが、そんなことをしていたら、①読みたい本だけを優先する、②積読が増える、③ジャンルが偏る、という事態に陥ってしまいました。そこで子供たちが学校で行っているように「朝読書の時間」というものを設けて、毎日少しずつでも読み進めるようにしたところ、1カ月でだいたい4-5冊は読めることがわかりました。

 

朝読書のルール

① 15分(切り悪い時は5分以内であれば延長可)

② 13

③ ジャンルはすべて違うものを選ぶ

 

選書の基準としては自分の専門分野である経済、投資、会計等から1冊、英語・翻訳に関係するものを1冊、その他どの分野でも良いものを1冊、としています。

 

良かった本、自分の趣味に合わなかった本などいろいろありますが、1カ月で読んだ本をご紹介していこうと思います。

「シンプルな英語」

1.「シンプルな英語」中山裕木子 講談社現代新書

 

 ご存じ「英語は3語で伝わります」の工業翻訳者、中山裕木子さんの最新著書。こういう本、いっぱい持ってるよねぇ、と思いつつやっぱり買ってしまう。この本は現代新書ということで小さく鞄にも入るので隙間時間用に持ち運びにも便利。

 さて、この本の良いところと言えば、何と言っても例題が多く載っているところではないでしょうか。英文を書く場合、まずは文法や語彙といった基本事項をおさえるのはもちろんのこと、いかに使える言い回しの引き出しを多く持っているか、そしてそれを実践で使えるか、ということが非常に重要だと思います。「予算を最大限に活用しなければいけない」(P27 )を英訳せよ、と言われたときに、文法上正しく、受験英語で使ったおなじみのWe must make the most of our budget.という言い方の他に、We must maximize our budget.がさっと引出しから出てくるかどうかが、英文を書く上で幅を広げるポイント。どんな本もそうですが、読んだ後にそれをどう活用するかが大事ですが、とりわけこのように良い例、悪い例がふんだんに盛り込まれている本は、それこそWe must maximize this book.なのかもしれません。

 ただ、英語初心者も含めて読者ターゲットとしているようで、若干本の組み立てがわかりづらいと感じました。「第2章 主語と動詞で組み立てる① SVOを中心に」「第3章 主語と動詞で組み立てる ②SVSVCも生かそう」・・・5文型の中で使用頻度の高い順に説明しているわけね、と気がついたのは70%読み終わった時点。私が鈍いだけか。 

 

★★★★☆

「ネイティブ発想で学ぶ 英語の決定詞」

2.「ネイティブ発想で学ぶ 英語の決定詞」ロバート・ヒルキ 玉木史惠 研究社

 

 こちらの本。実は数年前に紹介されて購入し、ちょっと読んだのですが、頭にすっと入ってこないので積読になっておりました。最近自分のライティングにおいて冠詞等の使い方が危ういと感じたため、再び引っ張り出してきて読み出しました。

 でもねえ、やっぱり頭に入ってこないんですよね。なんでかなぁ、と考えた末に至った結論。①決定詞の参考書(説明)であり、決定詞を使えることを目指した本ではないため例題は多いが「演習」がないので読者が決定詞を使いこなすに至るのは難しい ②参考書の割には索引がなく、後で「あれ?eitherの使い方って何だっけ?」と思ったときにも初めからパラパラめくらなければならない、③言葉での説明が多すぎて直感的ではない。例えばHalfの用法(P35)の冒頭に「half+冠詞(a/an, the)/人称代名詞の所有格(myなど)/指示詞(this, that)+可算名詞の単数形」の形で使われます、って書いてあるのですが、これを一読して「ふむふむ、そうか」と理解できる人、少ないと思うんですよね。

 言語学とかを選好していて、決定詞を学ぶという明確な意思のある方には良いと思うのですが、私のように決定詞よくわからないからちょっと読んでみた、みたいな人間にはやっぱりわかりにくかったです。決定詞ってやっぱりスキーマが共有されていない部分なので日本人には難しいので、せめて図とかそういったビジュアル面での説明の工夫も欲しかったです。

 ごめんなさい、紹介してくださった方。私には難しかった・・・。

 

 

★★☆☆☆

 

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