運営:有限会社ピィファ・パートナーズ
毎朝20分ほど読書の時間を作っています。もともとは1冊の本を読み終わるまで別の本を読まないタイプでしたが、そんなことをしていたら、①読みたい本だけを優先する、②積読が増える、③ジャンルが偏る、という事態に陥ってしまいました。そこで子供たちが学校で行っているように「朝読書の時間」というものを設けて、毎日少しずつでも読み進めるようにしたところ、1カ月でだいたい4-5冊は読めることがわかりました。
朝読書のルール
① 1冊5分(切り悪い時は5分以内であれば延長可)
② 1日3冊
③ ジャンルはすべて違うものを選ぶ
選書の基準としては自分の専門分野である経済、投資、会計等から1冊、英語・翻訳に関係するものを1冊、その他どの分野でも良いものを1冊、としています。
良かった本、自分の趣味に合わなかった本などいろいろありますが、1カ月で読んだ本をご紹介していこうと思います。
1.「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド」 ジェレミー・シーゲル 著 日経BP
久しぶりに積ん読がなくなったので、蔵書の中のものを再読しました。著者は株式投資に関する分野の重鎮、ジェレミー・シーゲル教授。以前はたまに教授の講義動画の翻訳を担当したりしましたが、なにせ御年77歳なので最近はあまり動画に出ているのを見ません。その動画でも書籍でも教授の話に出てくる資料の中で特に目を引くのは、米国株式の100年間のパフォーマンスを示したグラフ。人生100年時代を考えると、経済成長をしている国、利益を拡大している企業に長期投資をするというその基本的理論は間違っていません。
最近大学で株式や資産運用に関する基礎講座を担当させていただいていますが、これも若い世代に投資をしてもらいたいという考えに基づくものです。人はそれぞれ能力(キリスト教で言うところのタラントンですね)が違いますが、平等に与えられているのは時間です。時間を生かして、投資を通じて経済的自由を獲得できるのであれば、ぜひ若い世代にはその方法を知ってもらいたいと考えています。
ちょっと寄り道に逸れましたが、本書は経済全体を俯瞰したうえで株式市場についての基礎知識や、株価に影響を与える要因にまで幅広く触れています。どのような銘柄が良いか、といった短期的な流行を追うのでばなく、株式投資とは何かを考えたい人にお薦め。ただし米国株が中心なので日本株についてはほとんど触れておらず、さらにちょっとデータや取り扱っているトピックスが古いものがあるので、その辺は飛ばしながら読むと良いかもしれません。
★★★☆☆
2.「世界失敗製品図鑑」 荒木博行 著 日経BP
世界中の有名企業がこれまでに失敗した製品を取り上げたタイトルそのままの本。あの有名企業もこんな失敗作があったのね、と純粋に楽しめます。成功している物の模倣をして学ぶという方法もありますが、失敗作を見てこんなことはしないようにしようという方が学びが多いもの。「人の振り見て我が振り直せ」ということわざもありますしね。
ただし、1製品当たり10ページくらいしか割いておらず、そのうち絵や図が3分の1くらいありますので、経営学のケーススタディほどの学びは得られません。興味があればさらに深掘りをするための入口として使うのには良いかもしれません。
★★★☆☆