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第7回 Backdoor-裏口
Turkey’s central bank raised interest rates for the first time since a currency crisis in late 2018, surprising most economists after a series of backdoor measures fell short of stabilizing the lira.
9月24日にトルコ中銀が、大方の予想を裏切り2年ぶりの利上げに踏み切りました。
新型コロナで打撃を受けた国内経済の浮揚を図りたいエルドアン大統領は、再三中央銀行の利上げに反対の意を唱えてきました。総裁の更迭という記憶も新しいトルコ中銀はそうした大統領の意思を汲み、これまで金利をいじらずに他の手段でなんとか金融引き締め効果を狙ってきました。
例えば、1週間物レポ金利を使った市中銀行への資金供給を停止し、より金利の高い後期流動性貸出金利などに流動性供給手段をシフトしました。また、景気浮揚のため国営銀行などに促していた政策金利を大きく下回る水準での個人・企業向け融資の金利も引き上げさせました。
しかしここにきて、止まらないトルコ・リラ安に耐えかねついに利上げという表の手段を講じる事態となりました。
これまでのトルコ中銀による「なんちゃって」金融引き締め策を、記事ではbackdoor measure(裏口)政策と呼んでいます。他にbackdoorを使った言葉としては、backdoor financing(裏口上場)があります。いまはやりのSPAC(特別買収目的会社)などまさしくbackdoor financingではないかと思うわけですが、こういったものに資金が集まるのも低金利の弊害なのかもしれません。
(試訳)一連の裏口金融引き締め策ではトルコ・リラ安を食い止められなくなったトルコ中銀は、大方のエコノミストの予想を裏切り、2018年後半の通貨危機以来の利上げに踏み切った。
(2020年9月24日)