運営:有限会社ピィファ・パートナーズ
私は朝20分ほど読書の時間を作っています。もともとは1冊の本を読み終わるまで別の本を読まないタイプでしたが、そんなことをしていたら、①読みたい本だけを優先する、②積読が増える、③ジャンルが偏る、という事態に陥ってしまいました。そこで子供たちが学校で行っているように「朝読書の時間」というものを設けて、毎日少しずつでも読み進めるようにしたところ、1カ月でだいたい4-5冊は読めることがわかりました。
朝読書のルール
① 1冊5分(切り悪い時は5分以内であれば延長可)
② 1日3冊
③ ジャンルはすべて違うものを選ぶ
選書の基準としては自分の専門分野である経済、投資、会計等から1冊、英語・翻訳に関係するものを1冊、その他どの分野でも良いものを1冊、としています。
良かった本、自分の趣味に合わなかった本などいろいろありますが、1カ月で読んだ本をご紹介していこうと思います。
1, 「資本主義の再構築ー構成で持続可能な世界をどう実現するか―」 日本経済新聞出版 レベッカ・ヘンダーソン 著 高遠 裕子 訳
およそ30年ほど前、資本主義そして株主中心主義がバブルをもたらし、世界中が狂乱に湧き上がっていました。そして今、環境破壊、不平等など資本主義に走った末に様々な問題がのしかかり、経済的に疲弊しつつあります。著者はハーバード大学マッカーサー・ユニバーシティのプロフェッサーで、過去15年間にわたり環境問題や社会問題の解決に取り組む企業と共に活動し、その成果や考察を本書にまとめています。
様々な問題に取り組み、それを解決しようとするには「Purpose(存在意義)」主導で、互いに尊厳と敬意を払い活動することが重要だと説く姿勢は、昨今の経済学者たちも同意するところで、株主のみならずさまざまなステークホルダーを含む社会の構築が目指す姿だとしています。
では、具体的に何をしたらよいか?著者や最終章で、変化を起こす6つのステップとして、
1.自分自身の目的・存在意義(パーパス)を発見する
2.今、何かやる
3.仕事に自分の価値観を持ち込む
4.政府で働く
5.政治を動かす
6.自分自身を大切にして、喜びを見つける
を提唱しています。ん?結論はビジネス書というより、自己啓発本に近いような・・・・。
★★★★☆
2.「Google 英文ライティングー英語がどんどん書けるようになる本-」 講談社 遠田 和子 著
先月から4週にわたってワードマクロの新田純也さんのオンライン講座に参加いたしました。およそ効率化とは無縁、超アナログ金融翻訳者の私ですが、このセミナーに参加させていただきほんのちょっとずつ「楽」さと「快適さ」を感じつつあります。
その中で新田さんからご紹介いただいたのがこちらの本。8割はGoogleを使った「検索法」、残りの2割が「わかりやすい英語を書く方法」に紙面を割いています。
結論から言うと、自己流の調査方法があながち間違っておらず、さらに改善と効率化の余地があるということがわかりました。
「フレーズ検索」と「ワイルドカード検索」のほか、検索ってつくづく「連想ゲームなんだわー」と実感。セミナーの効果もあり気分爽快なので★たくさん。
★★★★★
3.(圏外)「ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険」 左右社 コーリー・スタンパー 著 鴻巣友季子/竹内要江/木村眞穂/ラッシャー貴子/手嶋由美子/井口富美子 訳
読み始めたものの、「Irregarless」の章辺りでちょっと進まなくなってしまって一時中断。なんでだろう?そうだ、先月「カンマの女王」をよんでいたからだ、と思いつきました。
元々英語の素養の乏しい金融翻訳者なので、ディープで細かい英語・言葉の世界を理解するのには時間がかかるのです。そう、味わえないのですね、この面白さが、朝の5分では・・・・。
ということで、朝読書には勧めない一冊としてご紹介いたします。じっくりバケーションのお供にでもしてください。