運営:有限会社ピィファ・パートナーズ
毎朝20分ほど読書の時間を作っています。もともとは1冊の本を読み終わるまで別の本を読まないタイプでしたが、そんなことをしていたら、①読みたい本だけを優先する、②積読が増える、③ジャンルが偏る、という事態に陥ってしまいました。そこで子供たちが学校で行っているように「朝読書の時間」というものを設けて、毎日少しずつでも読み進めるようにしたところ、1カ月でだいたい4-5冊は読めることがわかりました。
朝読書のルール
① 1冊5分(切り悪い時は5分以内であれば延長可)
② 1日3冊
③ ジャンルはすべて違うものを選ぶ
選書の基準としては自分の専門分野である経済、投資、会計等から1冊、英語・翻訳に関係するものを1冊、その他どの分野でも良いものを1冊、としています。
良かった本、自分の趣味に合わなかった本などいろいろありますが、1カ月で読んだ本をご紹介していこうと思います。
1.「一気読み世界史」出口治明 著 日経BP社
いつも元気な立命館APUの出口学長による7時間で世界史を学ぶための本。「はじめに」の中に「『人間って、こういう大きい流れの中で生きてきたんやな』ということをわかっていただければ、すごくありがたいと思います」とあります。今はウクライナで戦争が起き、トルコやモロッコには地震災害が発生し、と大事件が多発していますが、500年後の教科書には「ウクライナとロシアの小競り合いが起き、各地で地震や背自然災害が発生した」の1行で終わるのかもしれません。
そういう意味ではざざーーっと人類5000年の歴史を斜め読みするとう発想自体はとても面白いのですが、なにせ地域が飛びまくるので、読んでいてもなかなか頭の中で点と点が結びつかない。高校時代に世界史の勉強をするときには年表と地図が必須でしたが、それ無しでは理解が薄いということを実感しました。元が日経ビジネス電子版での連載ということなので、1回完結で読む分には面白いのかもしれません。受験生の世界史勉強には役に立たないけど、昔の記憶を掘り返し、雑学を増やすのには良いかも。
★★★☆☆
2.「敵対的買収とアクティビスト」 太田洋 著 岩波新書
この書物を読んでいる方が多かったのでつい買ってみた。が、正直あまり面白くない。というのも、どちらかというとこの本は教科書に近く、事実や説明が延々と続いているからでしょう。敵対的買収とは何か、アクティビストとは何か、歴史、事例という順番で展開されているので、一度ざっと読んで、あとは必要な時にもう一度この本に戻ってくれば参考書として使うと良いかもしれません。
しかしこの本、いわゆるカッコ書き()による説明が非常に多いのです。最初のP2には実に9カ所のカッコ書きの説明があります。筆者が弁護士であり、内容が内容なのできちんと補足をしなければ、というのは重々承知ですが、カッコ書きがこれくらい多いと正直本文が頭に入ってきません。翻訳をする際にも括弧書きはなるべく文章中に織り込むようにしていますが、やたら説明をカッコ書きするのはいかがなものか、と本文とは全く関係ないところに目が行った書籍でした。
★★★☆☆
3.「10秒リスニング」小西麻亜耶 三修社
タイトルに惹かれてポチっと購入した本。Public healthとかJapanese royal familyといったさまざまなテーマについての文章をディクテーションするという内容で、10秒なのでこれなら毎日続けられるかなと思った次第。たしかに毎日続けられるのですが、最初の7回くらいはゆっくり読まれ、後の3回がネイティブの早さで読まれているので、途中からはネイティブのスピードでしか聞かなくなりました。また解説もほとんど読むべき内容はなかったので、一定レベルのリスクニング力がある人には、CNNのリスニング教材の方が良いかな、という感じです。というか、最近はYou Tubeなどでもトランスクリプトを出してくれるので、やろうと思えばこの手のリスクニング教材を購入する必要はもはやないのかもしれないですね。英語リスニング教材、受難の時代か。
★★★☆☆