運営:有限会社ピィファ・パートナーズ
毎朝20分ほど読書の時間を作っています。もともとは1冊の本を読み終わるまで別の本を読まないタイプでしたが、そんなことをしていたら、①読みたい本だけを優先する、②積読が増える、③ジャンルが偏る、という事態に陥ってしまいました。そこで子供たちが学校で行っているように「朝読書の時間」というものを設けて、毎日少しずつでも読み進めるようにしたところ、1カ月でだいたい2-3冊は読めることがわかりました。
朝読書のルール
① 1冊5分(切り悪い時は5分以内であれば延長可)
② 1日2-3冊
③ ジャンルはすべて違うものを選ぶ
選書の基準としてはざっくり、自分の専門分野である経済、投資、会計等から1冊、英語・翻訳に関係するものを1冊、その他どの分野でも良いものを1冊、としています。
良かった本、自分の趣味に合わなかった本などいろいろありますが、1カ月で読んだ本をご紹介していこうと思います。
「市場最強の投資家 ウォーレン・バフェット」
1. 「市場最強の投資家 ウォーレン・バフェット」
トッド・A・フィンクル著 鈴木立哉訳 実務教育出版
金融翻訳に携わっている人で、ウォーレン・バフェットに関する記事を翻訳したことがない人はいないのではないかと思う生ける伝説、ウォーレン・バフェット。ウォーレン・バフェットに関する書籍は、翻訳する際の「裏取り」も兼ねて数冊保有しています。それでもまだバフェットに関する書籍が出版されるのは、不確実性が高まる時にバフェットに知恵を借りたいと思う投資家心理なのかもしれません(もちろん年齢も年齢なので、そろそろみたいなのもあるかもしれませんが)。先日、日経新聞の論説委員の方とお話したときも、バフェットが日本に来ると聞いて、中南米のアセットオーナーも地球を半周して日本まで来たエピソードをうかがいました。混沌とした時代だからこそ、投資家がバフェットという指針を求めるかもしれません。
さて、私が保有しているバフェット本と本書の大きな違いは、バフェットの生い立ちや人となりといった「バフェットを作った背景」にフォーカスを当てていることかもしれません。もちろん、すべてのバフェット本を読破しているバフェットオタクではないので、似たような本があるかどうか確信はできません。しかし、本書で最も興味深かったのは、バフェットの価値観の土台になっているカーネギーの言葉(P48)や幸福感(P314)といった箇所であり、投資本というよりむしろ自己啓発やメンタリティに紙面を割いているのが特徴かと思います。
一方、バークシャーの投資履歴などは事実の羅列なのでいささか退屈。著者が投資の専門家ではないためでしょうが、バークシャーの投資自体に興味のある方には少し物足りないかもしれません(☆)。
★★★★☆