運営:有限会社ピィファ・パートナーズ
第24回 Hockey stick(急騰)
株式用語には不思議な言葉がたくさんあります。
「たこ足配当」とか「塩漬け」とか最初に聞いたときはなんのこっちゃー?と思ったものですが、言われてみれば「説明系用語」なので画像を脳内で変換をしてみるとなるほどと納得できます。
ちなみに「たこ足配当」は、たこは餌がないと自分の足を食べてしまうというところから、配当原資がないのに資産を取り崩したりしながら配当することを言います。
また「塩漬け」は、料理において腐りやすい食べ物を長期保存や味付けのために食塩に漬けておくところから、上値で買った後株価が下落して含み損を抱えて、売るに売れなくなった状態を言います。
前置きが長くなりましたが、本日の言葉はHockey stickです。
こちらも初めて見たときはなんのこっちゃー?と思いましたが、ホッケーのスティックを思い描けばそれほど難しいこともありません。ホッケースティックの先のように急激に上昇する状態を指します。「うなぎ上り」とも言えるかもしれませんが、「うなぎ上り」は良い事の時にしか使わないような・・・・。一方ホッケースティックはとにかく「形状」だけを指すようです。
こちらは柴犬柄の草コインについての記事です。
Here are some things with a total market value in the neighborhood of $40 billion: Insurance giant Prudential Financial Inc., the manufacturer Carrier Global Corp., and, at just a few billion less, Southwest Airlines Co. Or, for a recent price of about 30¢ each, the supply of Dogecoin, the cryptocurrency that started as a joke in 2013. After climbing more than 6,000% this year in a hockey-stick rally, it’s still largely a gag—but one with a potentially darker punchline.
暗号資産のドージコインが年率6,000%以上急騰した、という表現をin a hockey-stick rallyと言っています。この場合はうなぎ上りと言っても許せるでしょうか。
一方こちらはモハメド・エラリアンによるインフレに関する記事です。
There would be a spike in yields... and I suspect that it would happen under all of the following Fed policy scenarios: timely exit, delayed exit, and slamming the breaks. The differences would be in timing and in the shape of the yield curve. In terms of numbers, it would be a 2% to 2.25% 10-year yield initially under the first scenario, more of a hockey stick under the second scenario, and higher than both under the third scenario.
<https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-04-20/what-comes-after-reflation-q-a-toplive-transcript>
金利上昇のシナリオについて「どちらかといえばホッケースティックのような」と言っていますが、ホッケースティックがどんなものかわからないと「???」ですよね。
時々こういうのが出てくると、辞書をいくつも引きながら悪戦苦闘します。言葉って面白いですね。
(2021年8月29日)