運営:有限会社ピィファ・パートナーズ
毎朝20分ほど読書の時間を作っています。もともとは1冊の本を読み終わるまで別の本を読まないタイプでしたが、そんなことをしていたら、①読みたい本だけを優先する、②積読が増える、③ジャンルが偏る、という事態に陥ってしまいました。そこで子供たちが学校で行っているように「朝読書の時間」というものを設けて、毎日少しずつでも読み進めるようにしたところ、1カ月でだいたい4-5冊は読めることがわかりました。
朝読書のルール
① 1冊5分(切り悪い時は5分以内であれば延長可)
② 1日3冊
③ ジャンルはすべて違うものを選ぶ
選書の基準としては自分の専門分野である経済、投資、会計等から1冊、英語・翻訳に関係するものを1冊、その他どの分野でも良いものを1冊、としています。
良かった本、自分の趣味に合わなかった本などいろいろありますが、1カ月で読んだ本をご紹介していこうと思います。
1.「話(WA)」 リアズ・メグジ 著 斉藤孝 監修 アチーブメント出版
年末にいろいろ本を買ってしまい、何冊も同時に「読み散らかしている」状態なので、12月と1月をまとめてしまいました。
松丸さとみさん訳の爆売れ本「LISTEN」のお隣にあった本。傾聴⇔話術の組み合わせで面白そうだなぁと思って買ってみました。
著者はテレビの司会者を長年務めた後現在は人と人とのつながりを専門とするレクチャラーのようなお仕事を専門にされているみたいです。「話術」のコツを教えてくれる本かと思ったのですが、話し方というよりも、コミュニケーションのコツを教える本だった・・・。
そして、よくよく見るとちゃんとタイトルの横に原題「Every conversation counts. The 5 habits of human connection that build extraordinary relationships」って書いてあるじゃないですか!「話」という漢字に紛らわされた私が悪い・・・。
「重要な会話をする前には徹底的に準備する」「先入観を捨てる」「繰り返されるキーワードに注意する」「相手をVIPとして扱う」等々・・・・よくあるアドバイスですが、私はこの手の助言を3歩歩くと忘れてしまうので、これからの人生を穏便に過ごすには定期的に読むと良い本かもしれないです。
ということで、他のコミュニケーション促進術の本(さほどたくさん読んでいるわけではありませんが)との違いがあまり見いだせなかったので★は3つ。
超コミュニケーション能力の高い人は、自然にできていることばかりなので不要な本だということも減点ポイント(でも、これをできてない人が多いからこの手の本が売れるのでしょうね)。
★★★☆☆
2.「翻訳エクササイズ」 金原瑞人著 研究社
あの金原瑞人氏の初の翻訳指導書ということでいそいそと購入。前半の初級~中級編はエクササイズというよりも、著者のこれまでの翻訳歴の中で頭を悩ませてきた「終助詞」とか「一人称」とかに関するエッセイに近い内容。初級~中級編と書いてあるけれども、日ごろ実務翻訳を中心としている人間にとって、終助詞や一人称に悩むことはほとんどないので、内容的にはものすごく「上級」。そもそもこれを初級~中級に分類している時点で、ターゲットとする読者層が違うのではないかと思いながら実践編に突入。
実践編では短編の原文と訳文を出しながら翻訳についてコメントしていくのですが・・・・こんなサラッとした注で本当にわかるのかしら?→初級~中級編で感じた違和感、つまりこの本の読者は文芸翻訳者を志しており、ある程度実践を積んだ人向けの本だということを確信しました。
もちろん面白かったですよ。でもね、厚さ1センチ2ミリ、A5サイズよりも小さい本で、「古典文学から、エンタテイメント、ノンフィクション、ヤングアダルトまで、様々な分野の翻訳を数多く手掛ける名翻訳者が教える超実践的翻訳講座」「翻訳の基本(構文の取り方、注意すべき語句の判断、辞書の引き方、調べもののコツ)から実際の翻訳作業まで、徹底指導」(本の帯)というのはちょっと・・・と思うのです。
文芸翻訳のたしなみのない私には、まずもっと基本編から行くべきだったなぁ。ということで私はたぶん想定読者ではなありません。本と靴は自分のサイズに合ったものを選びましょう。
★★★☆☆