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第22回 Agnostic (~に依存しない、どちらかに偏らない)
再び緊急事態宣言に突入。まさかのロックダウンまで議論され始めました。オリンピックも観戦できないのに、負担ばかり強いられる・・・・なんだか割の合わないことばかりが続きます。神はいないのか!
ということで、本日の言葉は ”Agnostic”。
さて、”Agnostic”を辞書で引くと、判を押したように「不可知論の」「不可知論者の」と出てきますが。そもそも「不可知論」ってなんでしょう。国語辞書を引くと
精選版 日本国語大辞典:「哲学で、ある種の主題の認識が人間には不可能であるとする認識説。また、神学で、人間には神を認識することはできないとする宗教的認識説」
ぜんぜんわかりません・・・・
広辞苑:「意識に与えられる感覚的経験の背後にある実在は論証的には認識できないという説・そういう実在を認める立場と、その有無も不確実とする立場とがある」
やっぱりわかりません・・・・・
困っていろいろ見たところ、こちらのサイトにこのような解説がありました。
「~ものごとの本質や実在の根拠のようなものは、人間が自分の感覚や経験で認識できるものではありません。つまり「不可知論」では、人知を超越する問題は扱わないとする立場をとっているのです。」
さらに
「「不可知論」は、英語だと「agnosticism」という言葉が対応します。「不可知論者」を意味する「agnostic」に、「主義・主張・学説」を表す接尾辞「-ism」がついた言葉です。「agnostic」は、霊的なものに関する知識があることを指す「gnostic」に否定の意味を加える接頭辞「a-」がついたもので、「be agnostic on ~」というように「~については分かりかねる」という使い方もされています。」
<https://biz.trans-suite.jp/36962>
なんとなくわかってきました。
実際には、サイエンスやIT関連などではindependentに近い使い方がされています。
Where the AirPods line appears tailored to enhance and complement Apple’s iPhones, iPads and Macs, Beats products are pitched at the wider market with a more device-agnostic approach.
アップルの新しいイヤホンに関する記事ですが、more device-agnostic approach(よりデバイスに依存しないアプローチ)でより広い市場に売り出される、とあります。
一方、金融機関のレポートなどでは、indifferent(どちらかにとらわれない、中立の)という意味で使用されるケースを目にすることが多くなりました。
In global equity markets, we hold an agnostic view of US vs Europe. (グローバル株式市場では、米国と欧州のどちらかが良いと考えているわけではない)。主にOpinion、View、Propositionなどについて使われることが多いようです。
言葉の使い方もどんどん変わっていきますね。今に「当社はこの銘柄にキュンです」みたいな訳が許されるようになるのかも!?
(2021年8月2日)