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第39回 shell out、pay through the nose、cost an arm and a leg (大金を払う)
日本製鉄によるUSスチール買収にトランプ政権が本格的に横やりを入れてきました。大型投資をするのであれば子会社化して支配下に置かなければ意味がないと言うのは経営陣の言い分。141億ドル(約2兆円)もの大金を支払うのに支配権がこの先も米国政治に左右されるのは、会社としては許されないことでしょう。さて本日の言葉は、「大金を払う」=shell outです。
Shellは名詞では貝殻、骨組み、弾薬などの意味がありますが、動詞では~から脱出する、砲撃するなどの意味で使われます。特にshell outになると(しぶしぶ)大金を払う、寄付をするという意味になります。
こちらは物価高騰が米国の消費者の重荷になっているという記事です。
With money in their pockets and prices surging, customers during the pandemic shelled out as much as 40% more for vehicles than they would have previously.
試訳:コロナ禍では、物価が高騰するなか懐が豊かになった消費者は、車に以前の4割もの大枚をはたいた。
Shell out以外でも「大金を払う」の熟語シリーズはたくさんあります。
Pay through the noseもその一つ。こちらも「法外な値段を払わされる」という意味でVoice of AmericaのLearning English ではpay through the noseとto cost an arm and a legが紹介されています。
I had to pay through the nose only for a cup of coffee at that restaurant. : そのレストランで、コーヒー1杯に法外な代金を払わされた。(英辞郎)
どちらかというと「ぼられた」と言う感じですね。
これをto cost an arm and a legsで書き換えると、Only a cup of cofee at that restautrant costed an arm and a legs.になります。
<https://learningenglish.voanews.com/a/why-do-we-pay-through-the-nose-for-costly-things-/5588260.html>
体が熟語に使われているところからも、「体でも支払えないくらい高い」という感覚は昔からあったのでしょう。Pay through the noseの語源は、アイルランド(デーン)人が人頭税を払えなかった人の鼻を削ぎ落したからとかいう説もあるそうです。そういえば日本でも戦で殺した敵の首だと重いので鼻を削ぎ落してましたよね。借金が返せないと臓器を売られたり。体(健康)ほど高くつくものはありません。借金には気を付けて。
2025年2月16日